ユーロ/円相場は、127~130円のレンジでやや上値の重い展開になっている。イタリアの政局不安が後退するも、5月2日の欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げが決定されるとの見方が強くなっていることもあり、ややユーロ売り・円買いが優勢になっている。ただ、全般的にポジション調整中心の小動きであり、大きな値動きには発展していない。
イタリアでは、エンリコ・レッタ氏が首相就任の宣誓を4月28日に行い、財政再建に取り組む方針を示した。これによって、9週間にわたって続いてきたイタリア政局の混乱状況には終止符が打たれることになり、債務問題が蒸し返されるリスクは若干ながらも後退した形になっている。もっとも、5月2日にECBが0.25%の利下げに踏み切る可能性が高いと見られる中、ユーロに対する買い圧力は限定的とならざるを得ない。ユーロ圏の経済指標は依然としてボトムが確認できない状況にあり、こうした状況下でユーロが急伸するシナリオを描くのは難しい。
このため、円サイドの動向が注目されるが、26日の日本銀行金融政策決定会合後の動きは鈍い。展望リポートでは、14年度コアCPIを+1.4%、15年度を+1.9%として、2%のインフレ目標達成への道筋を再確認した。足元ではその実効性が疑問視されることなどから円売り圧力にはつながっていないが、日銀が今後2年でマネタリーベースを2倍にする方向性には変化がない以上、円安基調が修正を迫られる状況にはない。ECB理事会をきっかけにユーロが上昇する局面があれば、改めてユーロ買い・円売りを仕掛ける好機になるだろう。
今後1週間の予想レンジは、127.00~131.00円。